高専からの東工大編入のおはなし

H31年度東工大編入記 電通大と京都工繊についてもあるよ

電気通信大学編入体験談

卒研の中間発表とかあって全然更新できませんでした。すみません。とりあえず一番最初に受けた電通大から書いていきます。

 

この記事のコンテンツは以下の通り

電通大について

電通大は、東京都調布市にある正式名称”電気通信大学”という日本で唯一場所の名前が付かない国立大学です。その名前から某広告代理店に関係があると勘違いされがちです。高専生からの知名度はそこそこあるものの、一般からの知名度はあまり無い感じです。ですが、大学は京王線調布駅から徒歩数分とアクセスが良く、研究にも力を入れており、毎年編入生も各類で10人以上はとっているという編入おすすめ大学です。

 

電通大攻略

電通大の試験科目は、数学、物理or化学、英語、面接です。試験の特徴は、数学で出される線形写像複素関数論、英語の要約と英作文です。過去問は電通大編入試験のページでpdfが公開されているので手に入れましょう。HTMLのソースを見ると古い過去問のpdfへのリンクがコメントアウトされています。割とガバガバ

数学攻略

電通大の数学の試験問題は毎年ある程度傾向が決まっています。まず1・2番で行列と線形写像が出され、3・4番で2変数の微分積分または微分方程式、5番で複素関数論の問題が出されます。この5問から4問を選んで解きます。

攻略ポイントは複素関数論です。「いやいや、1問捨てれるんなら分野が違う複素っしょ?」と思うかもしれません。しかし、電通大の線形写像は他に比べて非常に難しく、本番でできるかは割とギャンブルです。なので、1・2番のどちらかを捨てて残りを解くというのが電通大数学のセオリーです。複素関数はそれほど難しくなく解き方もパターン化されているので慣れれば余裕です。 

 

物理攻略

物理は、1番に力学、2番に電磁気学、3番に熱または波動が出題されます。特に力学は微分方程式を使うもの(振動や慣性モーメントなど)が必ず出題されています。電磁気は電界と磁界が交互に出題されている感じなので、次は電界の範囲が来そうな感じです。割とローレンツ力とかが出やすい印象です。そして3番の熱または波動ですが、今年からわからなくなりました。例年であればもう10年以上も熱しか出ていなかったのですが、僕の受けたH31年度はついに波動方程式に関する問題が出ました。範囲的には基礎物理学演習Ⅰレベルなので来年以降受ける人はチェックしておくといいと思います。

 

英語攻略

英語は、1問目に2ページくらいの長文が出され、それを200字程度の日本語で要約する問題が出され、2問目に2つのテーマから1つ選んで英作をする問題が出されます。レベル的には比較的楽で、TOEIC700点代の人なら英作力さえあれば特に対策の必要はないと思います。長文に自信のない人は、速読英単語を読んだり、ある程度力がついたらScientific AmericanやNatureなどの英語の科学雑誌を流し読みしてみたりすると良いと思います。たぶん図書館とかにあるでしょう。運が良ければ読んだ記事が出題されるかもしれません。また、英作に自信のない人は、様々な文を自力で英訳してみて、それをgoogle翻訳にかけてうまく訳せるかとかやってみると良いかと思います。僕はそれをやって英作力を高めていました。

 

面接攻略

面接は攻略法がありません。強いて言うなら堂々としましょう。あと、面接前に抜き打ちテストがあるかもしれないので覚悟しておきましょう。出題されるのは数学と物理or化学の基本的な問題です。

受験当日

1日目

1日目は数物英のテストがありました。

始めに数学。数学はそれほど難しくなく、行列・写像・チェインルール・微分方程式複素関数でした。僕は写像を飛ばしました。解答用紙はB3くらいの白紙で、両面使ってOKでした。1発目の試験ということもあり、ガチガチに緊張していたので、最初の15分は焦っているだけで何も解けませんでした。本当にやばかった。落ち着いてきたら解けたので緊張しすぎないように。

 

次に物理がありました。1問目は力学から剛体振り子の問題。慣性モーメントや周期などを求めるほんとに基礎的な問題で非常に簡単に解けました。2問目に電磁気で導線の内外にできる磁界のベクトルをビオ・サバ―ルから求める基礎的な問題。これも電磁気学演習をやっていれば解けるようなレベルの問題でした。しかし、今年の問題は簡単だなーと思いながら3ページ目に進むと、10年以上出ていた熱力ではなく、そこには波動の問題がありました。しかも大学範囲の偏微分方程式のやつ。まだ波動の勉強をしていなかった僕は数問を解いてあえなく撃沈しました。物理終了後は試験会場がざわついていました。

 

昼休憩約1時間を挟んで、最後に英語の試験でした。今年の長文は2ページ+αくらいの文量で、座っている人は心臓病になりやすいみたいなことが書いてありました。そして、その文章を200字程度で要約する問題が1問目。そして次は毎年恒例の英作でした。僕は「学校でプログラミングを教えるべきか」みたいな題でやりました。

 

2日目

2日目は面接の日でした。

待合室で待機していたら、例年にはなかった抜き打ちテストありました。内容は基本的な編入レベルの数学・物理or化学の問題でした。その後、面接になりました。一人当たり12分。聞かれた内容は以下の通り

・志望動機

・併願している大学を教えて

・(前問で東工大と答えたら)なんで東工大に行きたいの?

・(大学院に行きたいと言ったら)なんで?

・卒業研究について教えて

・抜き打ちテストの結果を教えて(選択した問題以外もできるか等)

・(専門教科の)得意教科と不得意教科は?

・何かアピールして

かなりフリースタイルでした。人によって違うでしょう。卒研についてかなり突っ込んで聞かれたので焦りました。試験が終わった後は受かった感触がありました。

 

おわりに

電通大は大学の周りの雰囲気も良く、東工大に落ちて行っていても後悔しない大学だと思いました。今電通大を目指している人は頑張ってください。それと、電通大を受ける人は近くのパルコの上にあるホテルがいい感じでおすすめです。

僕は京都工芸繊維大も併願したのですが、試験日が電通大の翌日でした。正直とても疲れます。京都工繊も受ける人はお覚悟を。