高専からの東工大編入のおはなし

H31年度東工大編入記 電通大と京都工繊についてもあるよ

東京工業大学編入体験談

前回の投稿からめっっっちゃ時間がたって卒研が終わったり高専生活が終わったりしたので書き残してきた東工大編入体験談を書いていきます.

春休みに入ったので進学組はそろそろ本腰入れて勉強を始める頃でしょうかねー

 

 

この記事のコンテンツは以下の通り

 

 

東京工業大学について

東京工業大学高専生ならば言わずと知れた科学技術系の強い大学です.でも知名度は信じられないほど低いです.今のところ東工大といってピンと来てくれた人は高専以外では片手に数える程度です.キャンパスは東京都目黒区の端っこにあり,最寄り駅は大岡山駅です.駅を出て交差点を渡るとすぐ大学なのでアクセスの良さは神です.あと図書館がなんかめっちゃおしゃれでした.

 

受験前日に下見をして,せっかくなので写真を撮ってきました.

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東工大の本館です.東大の安田講堂的な.登録有形文化財だそうです.青空に映えそうなのですがあいにくの曇り空です.でも気温は高く暑くて死ぬかと思いました.東京の暑さはつらいです.

 

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例の図書館.曇ってるとあんまりきれいに見えないですが僕はすごくテンションが上がりました.

 

東京工業大学攻略

東工大は数物化英の4教科+面接と,他のほとんどの大学よりも多くの範囲が出題されるので,とにかく早く勉強を始めないと間に合わなくなります.特に化学は大学化学が出題されるので早めに何とかしないと詰みます.まだ何もやっていない人はすぐに化学の先生の所に行って化学を教えてもらいましょう.この化学と,東工大特有の英語の超長文に対抗できるかが合格を左右します.

 

数学攻略

東工大の数学は,毎年かなり傾向が決まっています.毎年大問が4つ出題され,最初の2問が行列,その次が偏微分,最後が重積分です.全体的にめちゃくちゃ難しいとかは無く,むしろ他の科目に比べればかなり余裕があります(≠楽).試験時間も120分もあるのでここで落とすとかなり痛いんじゃないかなとおもいます.

行列では,特に出やすいものが未知数を含んだ連立方程式の問題と対角化の問題です.行列では毎年あまり発想力を試される問題は出されていないのですが,純粋に計算がめんどうです.たぶん時間が余ると思うので時間が許す限り何度も解きなおしましょう.特に対角化では以下のような性質があるので見直しに使いましょう

・行列Aの全ての固有値detAに等しい

・行列Aの全ての固有値trAに等しい

偏微分は主に2変数関数の極値や条件付き極地の問題が出やすいです.ですが,チェインルールが出ている年もあるのでこの辺りは全体的にやっておいた方がいいと思います.特に厄介なのが条件付き極地問題です.高専で習うようなやり方では到底太刀打ちできないし問題集にもあんまり載っていないです.これに関しては「大学編入のための数学問題集」という本にわかりやすい解き方があります.詳しくは「勉強について」の記事を参照.

積分は,ふつうの2変数のものや変数変換をするものが1~2問出ています.これはそれほど難しいものではないので,いろいろな変数変換のパターンを知っていれば特別な対策は必要ないでしょう.

 

物理攻略

東工大の物理は強いです.純粋に問題が難しいです.問題構成は電通大と同じく,1問目に力学,2問目に電磁気学,3問目に熱力学or波動が出題されます.全体的に傾向というものはないような気がします.強いて言うならば力学は慣性モーメントや微分方程式を用いる問題が出やすく,電磁気学は電磁誘導の問題が出やすいように感じます.熱と波動は熱:波動=2:1くらいの割合で出ているような気がしますが,最近は3年連続熱力が出てるのでもうわかりません.問題のレベルも様々で,問題集でやった問題がそのまま出るなんてことはまず無いのではないかと思います.お覚悟を.黄色い本を中心にとにかく多くの問題をこなして問題の本質をつかむことができるようになりましょう.試験本番では簡単なものから難しいものまで出題されるので,問題の難易度を見極めて難しすぎる問題を数問捨てるのも手かもしれません.

 

化学攻略

東工大の化学は高校化学+大学化学です.比率は1:2で大学の方が多いような感じです.大問は全部で6問あり,4問が無機化学,残りが有機化学です.範囲はめちゃくちゃ広く,元素や酸・塩基から有機化学まで何でもありです.しかし有機化学は毎年出る範囲がある程度決まっているので,勉強すれば安定して点が取れるようになります.化学の先生に聞いたり,マクマリーや有機化学演習を使って有機化学を得点源にしましょう.無機化学は高校用の問題集を使ったりしてがんばってください.最近は高校分野からの出題が多くなっているので,知識を問う問題にも答えられるようになっておくと安心です.

 

英語攻略

東工大の英語はとにかく長く難しい(1つの長文が4~5ページ(!!?!?)くらいのが2つ+割と長い英作)ため,日常から英語に触れるようにして速読力や英作力を鍛えておくといいでしょう.僕は図書館の英語の科学雑誌(Scientific American)を読んだり,高校生用の東工大入試の英語の模試(通称青本 amazonで中古70円)をやったりしてました.東工大編入試験の英語は、普通の大学受験の英語の試験問題と似ているので,本番の時間感覚をつかむことができると思います.そして過去問を見たことがある人はわかるかもしれませんが,東工大の英語は全文を読まないと回答できない問題が多いです.斜め読みしていると高確率でわからなくなるので,全文を時間内に読めるような速読力をつけましょう.

 

受験当日

1日目

 1日目は数物化のテストがありました.

まず数学.例年と同じく行列が2つと2変数関数の極値,最後に重積分でした.例年よりも易化したようでどれもそれほど難しくはなく,40分程度で終わったので逆に不安でした.5回近く見直しをしたと思います.人生でこんなに見直しをしたのは今回が初めてだと思うくらい見直ししました.

 

次に物理.1問目に水素分子(H-H,H-D,D-D D:重水素)のばねモデルについて,それぞれの慣性モーメントの比を求めたり,振動の周期の比を求めたりするものが出ました.こんな問題は始めてみました.2問目は電磁気で,帯電した同心球殻の電界と電位を求めるもの,有限長導線から距離hだけ離れた点の磁束密度を求めるもの,四角形コイルを磁界中で回転させたときの起電力と流れる電流の微分方程式を求める問題でした.特に最後の問題は見たことがない問題でしたが,電磁誘導の定義をたどっていくと答えが出てきました.3問目は熱力で,カルノーサイクルとディーゼルサイクルのpV図とTS図,仕事や効率などの問題でした.もうとにかく時間がなかったです.そして問題も本質を突いてくるものが多いような気がしました.

 

最後に化学.1問目は電気分解,2問目は酸塩基と解離定数,3問目は混成軌道・熱化学方程式・熱平衡,4問目は熱力学の用語問題・エンタルピーを用いた計算,5,6問目に有機化学でした。例年通り様々な問題が出題されていました.特に今年は有機化学で”アルドール縮合”という割と難しい反応が出題され,これが解けないと後に続く問題が解けないという鬼畜問題がありました.東工大はこのように難しい反応でも普通に出してくるので,できるだけ覚えるようにしておきましょう.詳しくはマクマリーとか見てください.

 

2日目

2日目は英語と面接でした.

英語は超長文×2+120字程度の自由英作文でした.1つ目の長文は「脳をコンピュータにつなげるのは非現実的ではない~」みたいな内容で,2つめは「エンジニアの生産性~」みたいな内容でした.この2つだけもかなりお腹いっぱいなのに,さらに120字程度の英作文もあり,終わったのは試験終了3分前くらいでした.超ギリギリです.ぶっつけ本番でやるとたぶん死にます.必ず過去問か赤本か青本をやって東工大の英語の時間感覚を掴むようにしておきましょう.

 

そして面接です.僕は東工大では専門科目について何か聞かれるようなことはないと思っていたのですが,普通に口頭試問をされて心臓が止まるかと思いました.なんとか脳をフル回転させて答えられましたがめちゃくちゃ動揺しました.面接時間は1人当たり10分前後で聞かれた内容は以下の通り.

・簡単な志望動機

・卒業研究の内容+質問

・試験の出来

・専門科目についての口頭試問


この口頭試問ですが,まず数学のラプラス変換の専門への応用と,ラプラス変換フーリエ変換の意味の違いについて聞かれました.そして僕は電気電子系を受けたので,電子回路のコレクタ接地回路の特徴や電圧増幅率,使用用途などを聞かれました.

僕は体験談を読んだりして,面接ではTOEICの点数や得意不得意教科などが聞かれると思っていたのですが全然違くて焦りました.面接は系ごとに行うので,もしかしたら口頭試問があるのは電気電子系だけなのかも.

という感じで東工大の面接は何があるかわからないです.実際に僕は体験談や聞いていた話とは全く違いました.受験者の真の基礎力や授業への関心などが試されているのだと思います.授業をちゃんと聞きましょう.

 

おわりに

うかりました.いぇーい.東工大を受ける人は他の人が次々決まっていく中で夏休みも半分費やして孤独な戦いを続けなければなりません.つらいです.心を病まないようにしましょう.実際に僕は割と心が荒んでいきました.あと東工大は化学と英語でかなり差が付くと思います.化学と英語が合格を決めるといっても過言ではないと思います.決して化学を捨てるというような愚行に走らないように.僕からは以上です.それと東工大を受ける人は旗の台の東横インがいい感じでおすすめです.

p.s. 東京(+近郊)の家賃って高いんだね...

 

 

京都工芸繊維大学編入体験談

電通大の受験日の次の日が京都工繊の受験日でした。電通大の試験が終わったら即移動開始です。しかも台風も来ていて新幹線遅れたりいろいろやばかったです。

 

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京都工芸繊維大学について

京都工芸繊維大学は、電通大農工大と同じ種族の大学です。地下鉄の駅からもそこそこ近く、割といい感じだと思いました。しかし編入にはあまり興味がないのか、今年はそこそこ倍率が高かったのに、最終的に募集人員以下しか合格にしていませんでした。あと、英語がTOEIC換算の大学なので、TOEICが取れている人は有利です。

 

京都工芸繊維大学攻略

数学攻略

京都工繊の数学は他に比べて簡単です。ここで点を落とすと合格も逃すことになると思います。分野的には、関数の極限、1変数の微積分、チェインルール、行列などです。他の大学の滑り止めとして受ける人なら特に対策は必要ないと思います。実際、僕は特に対策をしませんでした。

 

物理攻略

物理は、比較的広範囲から出題されています。力学や電磁気学はもちろん、波動や熱力も出ているので、しっかり対策しておきましょう。問題のレベル的にはそれほど高いわけではないので、基礎物理学演習や電磁気学演習をそこそこやっておけばいいでしょう。

 

専門攻略

専門といっても僕の受けた電気だけですが、学校のテストに棒を振ったレベルだと感じました。3年の電気回路や電磁気学をまじめにやっていた人ならそれほど失敗することはないでしょう。問題集は学校の教科書や配られた問題集をやっておけばそこそこ戦えるようになると思います。

 

受験当日

電通大を受けた直後だったので、受験当日はめちゃくちゃ冷静でした。数学である程度めんどうな場合分けの計算が合った以外は問題集を解いているかのように回答することができました。試験終了後に回収されていく解答用紙が見えるのですが、ほぼ白紙とかが割と多かったのが印象的でした。受験終了後は漠然と受かったな―と思ってました。

 

おわりに

なんかこれといって書くことがありませんでした。京都工繊について何か教えてほしい人はコメントください。あと、京都工繊を目指している人はTOEICをガチでやりましょう。これがあるだけで安心感が段違いです。

電気通信大学編入体験談

卒研の中間発表とかあって全然更新できませんでした。すみません。とりあえず一番最初に受けた電通大から書いていきます。

 

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電通大について

電通大は、東京都調布市にある正式名称”電気通信大学”という日本で唯一場所の名前が付かない国立大学です。その名前から某広告代理店に関係があると勘違いされがちです。高専生からの知名度はそこそこあるものの、一般からの知名度はあまり無い感じです。ですが、大学は京王線調布駅から徒歩数分とアクセスが良く、研究にも力を入れており、毎年編入生も各類で10人以上はとっているという編入おすすめ大学です。

 

電通大攻略

電通大の試験科目は、数学、物理or化学、英語、面接です。試験の特徴は、数学で出される線形写像複素関数論、英語の要約と英作文です。過去問は電通大編入試験のページでpdfが公開されているので手に入れましょう。HTMLのソースを見ると古い過去問のpdfへのリンクがコメントアウトされています。割とガバガバ

数学攻略

電通大の数学の試験問題は毎年ある程度傾向が決まっています。まず1・2番で行列と線形写像が出され、3・4番で2変数の微分積分または微分方程式、5番で複素関数論の問題が出されます。この5問から4問を選んで解きます。

攻略ポイントは複素関数論です。「いやいや、1問捨てれるんなら分野が違う複素っしょ?」と思うかもしれません。しかし、電通大の線形写像は他に比べて非常に難しく、本番でできるかは割とギャンブルです。なので、1・2番のどちらかを捨てて残りを解くというのが電通大数学のセオリーです。複素関数はそれほど難しくなく解き方もパターン化されているので慣れれば余裕です。 

 

物理攻略

物理は、1番に力学、2番に電磁気学、3番に熱または波動が出題されます。特に力学は微分方程式を使うもの(振動や慣性モーメントなど)が必ず出題されています。電磁気は電界と磁界が交互に出題されている感じなので、次は電界の範囲が来そうな感じです。割とローレンツ力とかが出やすい印象です。そして3番の熱または波動ですが、今年からわからなくなりました。例年であればもう10年以上も熱しか出ていなかったのですが、僕の受けたH31年度はついに波動方程式に関する問題が出ました。範囲的には基礎物理学演習Ⅰレベルなので来年以降受ける人はチェックしておくといいと思います。

 

英語攻略

英語は、1問目に2ページくらいの長文が出され、それを200字程度の日本語で要約する問題が出され、2問目に2つのテーマから1つ選んで英作をする問題が出されます。レベル的には比較的楽で、TOEIC700点代の人なら英作力さえあれば特に対策の必要はないと思います。長文に自信のない人は、速読英単語を読んだり、ある程度力がついたらScientific AmericanやNatureなどの英語の科学雑誌を流し読みしてみたりすると良いと思います。たぶん図書館とかにあるでしょう。運が良ければ読んだ記事が出題されるかもしれません。また、英作に自信のない人は、様々な文を自力で英訳してみて、それをgoogle翻訳にかけてうまく訳せるかとかやってみると良いかと思います。僕はそれをやって英作力を高めていました。

 

面接攻略

面接は攻略法がありません。強いて言うなら堂々としましょう。あと、面接前に抜き打ちテストがあるかもしれないので覚悟しておきましょう。出題されるのは数学と物理or化学の基本的な問題です。

受験当日

1日目

1日目は数物英のテストがありました。

始めに数学。数学はそれほど難しくなく、行列・写像・チェインルール・微分方程式複素関数でした。僕は写像を飛ばしました。解答用紙はB3くらいの白紙で、両面使ってOKでした。1発目の試験ということもあり、ガチガチに緊張していたので、最初の15分は焦っているだけで何も解けませんでした。本当にやばかった。落ち着いてきたら解けたので緊張しすぎないように。

 

次に物理がありました。1問目は力学から剛体振り子の問題。慣性モーメントや周期などを求めるほんとに基礎的な問題で非常に簡単に解けました。2問目に電磁気で導線の内外にできる磁界のベクトルをビオ・サバ―ルから求める基礎的な問題。これも電磁気学演習をやっていれば解けるようなレベルの問題でした。しかし、今年の問題は簡単だなーと思いながら3ページ目に進むと、10年以上出ていた熱力ではなく、そこには波動の問題がありました。しかも大学範囲の偏微分方程式のやつ。まだ波動の勉強をしていなかった僕は数問を解いてあえなく撃沈しました。物理終了後は試験会場がざわついていました。

 

昼休憩約1時間を挟んで、最後に英語の試験でした。今年の長文は2ページ+αくらいの文量で、座っている人は心臓病になりやすいみたいなことが書いてありました。そして、その文章を200字程度で要約する問題が1問目。そして次は毎年恒例の英作でした。僕は「学校でプログラミングを教えるべきか」みたいな題でやりました。

 

2日目

2日目は面接の日でした。

待合室で待機していたら、例年にはなかった抜き打ちテストありました。内容は基本的な編入レベルの数学・物理or化学の問題でした。その後、面接になりました。一人当たり12分。聞かれた内容は以下の通り

・志望動機

・併願している大学を教えて

・(前問で東工大と答えたら)なんで東工大に行きたいの?

・(大学院に行きたいと言ったら)なんで?

・卒業研究について教えて

・抜き打ちテストの結果を教えて(選択した問題以外もできるか等)

・(専門教科の)得意教科と不得意教科は?

・何かアピールして

かなりフリースタイルでした。人によって違うでしょう。卒研についてかなり突っ込んで聞かれたので焦りました。試験が終わった後は受かった感触がありました。

 

おわりに

電通大は大学の周りの雰囲気も良く、東工大に落ちて行っていても後悔しない大学だと思いました。今電通大を目指している人は頑張ってください。それと、電通大を受ける人は近くのパルコの上にあるホテルがいい感じでおすすめです。

僕は京都工芸繊維大も併願したのですが、試験日が電通大の翌日でした。正直とても疲れます。京都工繊も受ける人はお覚悟を。

 

勉強について

こんにちは。

今回は編入を志す高専生が必ずと言っていいほどぶち当たる

編入試験って何を勉強するの?」

「いつから勉強をすればいいの?」

という疑問のために、僕自身の経験を書いていきたいと思います。

編入試験には模試もなく、自分の立ち位置もわからないので正直手探り状態です。

でもそのような中でもある程度の”王道”というものはあるのではと思うので、努力のベクトルを誤らないようにしましょう。

 

この記事のコンテンツは以下の通り

 

勉強量&スケジュール

僕は高専に入ったときから受験についてある程度意識していたので他の人よりも早くから勉強を開始しました。といっても、1年の時からやってたとかではなく本格的に始めたのは4年の夏休みからです。

勉強時間の推移はこんな感じ。縦軸は時間[h]です。1日の最高勉強時間は8時間47分でした。

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勉強量はこんな感じです。

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ノートは計50冊消費しました。

内訳は

です。これとは別に過去問をルーズリーフ100枚分くらいやりました。

 

勉強の順番ですが、英語はとにかく早く、そして数学と物理は数学から始めることを強くおすすめします。

英語はとにかく読んだり聞いたりする時間が長いほどできるようになります。逆に言えば、受験前に必死になってもなかなかできるようになりません。毎日コツコツと隙間時間に英語の勉強時間を蓄積していってください。

物理は基本的な微分積分の知識はもちろんのこと、力学には微分方程式や重積分電磁気学には偏微分や重積分(+ベクトル解析)の知識が必要となります。従って、数学力がないまま物理をやると心が破壊されることとなります(経験済)。なので、これから勉強を始める人はぜひ数学の基礎を身に着けてから物理を始めてください。

 

あと、自分の勉強時間を記録することもモチベーションの維持にはとても有効です。僕はStudyPlusというアプリを使って勉強をしている時間を記録していました。このアプリは自分の勉強時間以外に、一緒に勉強している友達や他の高専の受験生の記録も見ることができるので、とても励みになります。編入学の勉強は割と孤独感にさいなまれがちだと思うので、このような”他の人も頑張ってるんだ”感は割と大事な気がします 。

 

参考書

数学

学校の問題集たち(2~4年) 2周

僕がまず手を付けたのは、学校の教科書についてくる問題集です。過去問を見た人はわかると思いますが、編入学試験の問題の難易度は定期テストとかの比ではありません。とにかく基礎を固めないと太刀打ちできないと思ったので、まずはこの問題集の応用問題を1周解いてガチの問題に備えました。1年の時の問題集はやっても意味がなさそうなので飛ばした。

 

・大学編入入試問題数学/徹底演習 3周

この本はとにかく問題数が多く、割と難しい問題が多いです。でもこの問題集を3周もすれば、数学は怖くなくなります。僕は5年になる前くらいまでに3周を終わらせ、割と過去問が解けるようになりました。

しかし、この問題集には弱点があり、それは

  • 回答が簡潔すぎるところがある
  • たまに答えが間違ってる(正誤表参照)
  • 東工大で頻出の”条件付き極値問題”の問題が貧弱

です。

ですが、問題はとても粒のそろった良問が多いと思うので、やる価値は大いにあります。

なお、条件付き極値問題についてはあとで超優秀な本を紹介します

 

編入数学過去問特訓 2周

過去問特訓はとにかく解説が丁寧です。

そして問題数もそれほど多くないので、短期間で周回することができます。この本のC(応用)問題はかなり難しいものが多いので自分の実力を測ることができます。だけど阪大の問題は難しすぎやしませんかね...

 

・大学編入のための数学問題集 1周

上の方で言っていた条件付き極地が超強い本。条件付き極地のためだけでも手に取る価値がある本。こんな風に解くことができるのかと本当に驚きました。この本で条件付き極地の演習をすれば、東工大の面倒な条件付き極地問題も解けます。東工大志望の人にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。そしてこの本は割と新しいので最近の編入試験の問題が結構のっているのも加点ポイント。

 

編入線形代数徹底研究

電通大は線形写像が出るので対策せねばと思ってやった。でも電通大で出るような問題はあんまり無かったから意味があったかは微妙。

線形写像は上で紹介した大学編入のための数学問題集に割といい感じの問題と解説があるのに気づいたのでそっちをやると良いかも。僕は電通大終わった後にそれに気づいた。

 

物理

物理は黄色い本が多いです。編入の物理は微積を必ずと言っていいほど使わせてくるので、そのような問題を中心に勉強してました。

力学

・基礎物理学演習Ⅰ 3周

編入の定番の一つ。編入で物理がある人は必ず持ってる分厚い黄色い本。この1冊で力学・波動・熱力学をカバーすることができる。でも演習問題の解説が貧弱なうえに回答のミスも多い。次の演習力学と合わせて使うと良いんじゃないかな。

あとコリオリ力やコマの運動とかはたぶん出ないから飛ばしても大丈夫かもしれない。そしてたまにある頭おかしいほど計算が面倒な問題は飛ばしていいかも。僕は飛ばした。

 

・演習力学 3周

薄い方の黄色い本。力学範囲をカバーできます。基礎物理学演習に比べるとかなり丁寧な解説がのっている。編入試験で出る力学はほぼ基礎物理学演習Ⅰとこの本にのっている問題の類題でできている。個人的にかなりおすすめ。

 

電磁気学

電磁気学演習[新訂版] 3周

様々な電磁気の問題がのっている本。この本1冊を極めれば電磁気は怖いものがない。磁性体・誘電体・電磁波は物理の試験で出るような電磁気では出てないから飛ばしていいかも。でも誘電体はそれほど知識を必要としないのでやっても損はないと思う。東工大を受ける人は余裕があったら電磁波の変位電流とかも念のためやっておくといいと思う。

 

・基礎物理学演習Ⅱ 1.5周

電磁気学演習の問題を何となく覚えてしまったので代わりにやった。Ⅰと同様に演習問題の解説が貧弱。

 

・基礎電磁気学 2周

学校の教科書。これも電磁気学演習の問題を覚えてしまったので代わりにやった。教科書だけあって解説がしっかりしている。

 

熱力学

・スバラシク実力がつくと評判の熱力学キャンパス・ゼミ

電通大東工大が授業でやってない範囲のガチな熱力学を出してくるのでやった。確かにスバラシク実力が付いたと思う。熱力学の法則や考え方がとても丁寧に解説されているので独学には最適。基礎物理学演習をやる前にこの本をやるとすらすら解けるようになる。エントロピーまでやった。

 

・基礎物理学演習Ⅰ 3周

力学のところで説明した通り。熱力学の問題数が少ないような気もするがメジャーな問題は押さえることができる。

 

・熱・統計力学演習 1周

熱力を極めようと思ってやったけどあまり役には立たなかった。体積がl(小文字のL)で書かれているので、1と見分けがつかないところが多くていらいらした。

 

波動

・基礎物理学演習Ⅰ 3周

力学のところで説明した通り。波動はこの本だけでいいんじゃないかと思う。波動関数・音・光はこの本を周回すれば極められる。でも演習問題の回答には導出過程がほとんどない。力学の回答に比べておまけ感がすごい。

 

化学

電通大や京都工繊の人はやらなくても大丈夫ですが、東工大を受ける人は化学の勉強をほぼ独学でやらなければなりません。割ときついです。早いうちに化学の先生に相談して過去問を一緒に解いたりしてもらいましょう。

無機化学

・化学の新研究

まるで辞書のような高校用の参考書。なぜか大学範囲の内容も結構のっているので過去問でわからないことがあったら見てみるといいかも。

 

・化学重要問題集 2周

これも高校生のための本だけど最近の東工大は割と無機化学で高校範囲の問題を出す傾向にあるので、計算問題を中心にやっておくとよい。あと元素の性質とかも割と出やすい感があるので覚えておくと点が取れるかも。

 

有機化学

・マクマリー有機化学概説

東工大編入の体験談の中では定番の1冊です。全ページフルカラーでとにかく視覚的にわかりやすいです。しかし、演習問題は少なく、さらに答えは別売り(は?)という謎っぷりなのであくまで原理を理解するという使い方しかできません。あと値段が高い。

 

有機化学演習 3周

超有能。マクマリーを見ながらこの本を極めれば東工大有機化学を恐れる必要はなくなります。でも値段が高い。ヤフオクamazonでうまいこと安い古本を探しましょう。

いろいろ問題がのってますが、もちろん全部の問題をやる必要はありません。東工大の過去問を見ながら出そうなところの問題だけをつまみ食いしていきましょう。過去問を見てわかない反応があったら、化学の先生に反応の名前を教えてもらい、この本で演習しましょう。

 

英語

個人的に英語は机に向かってやるものではないと思っています。僕は主に通学電車の中で勉強していました。毎日行き返りで12分×2程度でしたが、むしろ短時間なので集中力が続いてよかったと思います。

 

・DUO3.0 3周

ド定番。ノーマル状態からこの本を3周すればTOEIC600点以上は取れるようになる。手っ取り早くたくさんの英単語を覚えられる。空き時間に読むのがおすすめ。

 

・速読英単語(基本編・上級編) 2周ずつ

単語力をつけつつ速読力を身に着けることができる良書。東工大を受験する人は上級編までやっておいたほうがいいと思う。1日2文くらいづつ進めると1か月で1周できるので、毎日読んでいるといつの間にか読解力と文法力がついている。ちなみに、上級編はある程度長文が読める程度の力がないと詰むので注意。

 

・Scientific American

学校の図書館においてあった英語の科学雑誌。本場の英語を読むことができる。実際にこの雑誌から引用されることもある。上記のものをやりこめばある程度読めると思うので、長文になれるために読んでみると良いと思う。

 

東京工業大学への英語(通称”青本”)

東工大入試の2週間前くらいにamazonで中古を70円くらいで買った。最新のものを買う必要はないと思う。東工大編入試験の英語は、普通の大学受験のものとかなり似ているので、時間感覚をつかむのにとても役立ちました。

 

あとがき

 想像以上に長くなってしまった。

これらの本は一気に買うと割とお金がかかるので、まずは図書館で借りてみたりして自分に合うか試してみると良いです。あと勉強をしているうちに、いつか必ず鬱な気分になることがあります。ですが、それが普通です。鬱になったらその日は諦めてしっかり休むようにしましょう。

次は各大学ごとの対策と、受験当日の体験談とかを書いていきたいと思います。

それでは。

 

9/30追記:文化祭の準備とかで忙しいので次の更新は10がつ半ばになりそう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめに

はじめまして。

H31年度東京工業大学編入学試験に合格したので、自分の体験とかを書いていきたいと思います。

これから受験する人の役に立てばいいなーと思ってます。

 

高専は比較的簡単に有名大学に進学できるという話ですが、編入試験の内容は授業でやってないようなことが多く、早いうちに勉強を始めないと詰むことになります。 

この記事を見ていて編入を目指しているなら、なるべく早く始めましょう。春休みからやろうでは甘いです。いや、本当に。

 

この記事のコンテンツは以下の通り

 

自分について

学科:電気電子工学科

学科順位:3位(1~4年)

TOEIC L&R:795(4年3月)

部活:ロボコン(1~3年)

...という感じです。

どこの高専のクラスにも何人かいるであろう”何か作ってる人”です。

おうちに3Dプリンターとかレーザー加工機とかある人です。

ロボコンでは全国大会行ったりしました。

 

受験大学

受けた大学は、希望順に以下の通りです。

全部合格しました。

1.東京工業大学(電気電子系)

2.電気通信大学(電子工学コース)

3.京都工芸繊維大学(電子システム工学過程)

 

これから

とりあえずは以下の2つを書こうと思います。

1.勉強に使った本・勉強法

2.各大学の受験本番の体験談

適当に参考にしてみてください。

なんか質問とかあったらコメントでなんでも聞いてください。できる限り答えようと思います。

今日はここまで。